電車男

  • 電車男を知ったのはもう1年前になります。BAB氏から面白い話があると言ってまとめ

サイトを教えてもらったのが最初です。当時は8時間連続で最後まで読みきった
記憶があります。それ以降も何度も読み返し、名言は辞書登録までしてしまいました。
それぐらいハマったこの話の映画化ということで見てきました。

  • まずこの映画を見る前に思ったのは女性が非常に多いこと。今日見に行ったときも

8:2くらいで女の人だったと思います。
こういった恋愛話が好きなのは女性が多いと思いますが、発祥の地が
2chってことを考えるとやっぱり書籍化の影響が大きいのかなと思いました。
あと山田孝之効果ってのもあるかもしれませんね。

  • この映画を見るにあたっては事前に知っている知識によって印象が変わると思います。

2ch用語の認知度や2chについての知識、まとめサイトでの実際の話の知識が
有無が挙げられます。私は2ch用語は知っていて、電車男に関する知識は
まとめサイトのみです。
それを踏まえて少し思ったことを書きたいと思います。
この文章以下は壮大なネタバレです。

  • まず良かったところ

序盤における導入部分〜エルメスに実際に会う場面の流れは非常によかったです。
掲示板の流れの様子も上手く映像化されています。
あと爆撃や顔文字が動くなど細かな表現が良いですね。爆撃は事前知識が無い人が
見ればわからないとは思いますが、個人的には面白かったです。
主役二人に2ch語を話させるシーンなんか特に面白かった部分ですね。
原作に忠実に沿っていく上で欠かせない名言もキチンと踏まえていまたし、エルメス
電車男の手を引いたシーンまではすごくよかったです。
シーンとしてはこの手を引くシーンが一番印象に残りました。

  • また、出演者の演技も良かったです。電車男役の山田孝之は非常に上手かったですね。

電車男の挙動不審さ、女性との会話の抵抗など見てて上手いなぁと思いました。
エルメス役の中谷美紀。何も言うことはありません。有利。
エルメスってこういう人だろうなというのが具現化されたような感じを受けました。
数々のエルメス名言を言ってくれるところは、スレを読んでいる当時を思い出しました。
あとは大杉漣も個人的にageておきましょうか(ぉ

  • もう一つ個人的なところですが、ベノアティーのところは別の意味で印象的でした。

去年東京行ったときに銀座松坂屋までわざわざ行きましたからね!
しかも席が一緒ときたもんだ。隣のBAB氏と共に懐かしさを味わっていました。

  • 逆に微妙だなと感じたところ。

まぁ、これは物語後半全般に尽きると思います。
オリジナル要素が入るのには特に抵抗はありませんが、突然雨が降ってくるシーン
に象徴される恋愛物の悲観的演出が個人的に受け付けないもので…。
物語の転におけるこの場面での粗さが目立った気がします。序盤の出来が
良かっただけに悔やまれます。雨の降るシーンはともかくその後の展開がまた解せない。
電車男は確かにこういうことに慣れてないとは思いますが、ああいうことは言わないかと。

  • その後の流れは違和感を感じっぱなし。パンフに自筆の書き込みに感動するのは

良くわかります。でも突然パソコン買いに行く流れには少し疑問符がつきますね。
秋葉原で告白シーンをやりたいからってちょっと強引すぎるのでは?
また、意気消沈して帰った電車男に住人が励まして立ち直るシーン。
ここは良かったのですが何を思ったか家を走って飛び出しエルメスの家へ。
そして二人はすれ違い、電車男エルメスを求めて秋葉原へ。
ここでも何故か服を脱ぎながら走っていく電車男
多分、飾っていた自分を捨て素顔の自分で会いに行くと言った意図でしょうが、
やっぱりこういった悪く言えばクサイ演出は私は受け付けませんでしたね…。

  • 告白シーンは原作に忠実で良かったです。

エルメスの「がんばって」はすごく素敵でした。
そして住人それぞれのエピソードの後定期を拾うシーン。
ここの過去とのリンクはオリジナル要素で唯一良かったと思った点だと思います。
最後のドラマの予告は別にいらないと思うけど…。

  • 最後に言うと主題歌が個人的に好かないですw

一番杞憂してた告白シーンでの主題歌演奏が無くて少しホっとしました。
まぁ一般人向けにオレンジレンジを起用したとは思いますけど2ch発祥の
物語だけに個人的にちょっと嫌でした。
まぁ私がアンチなだけと言われればそれまでですけど。

  • 今回の映画、よくまとまっているとは思いましたが個人的には微妙でした。

最後の告白シーン。後ろでキターが連発されていました。
これは電車男のスレの中では告白というのは祭りを表しているという意味だと思います。
しかし、一般客から見ればここは感動のシーン。
背景に変なのがあると思う人もいるでしょう。
こうした一般向けなのかそうでないのかの区別の線引きが少し曖昧だったというのが
原因かもしれません。原作派に立った前半、一般派に立った後半みたいな感じで。
点数をつけるとするならば65〜70点ぐらいの出来だと思いました。
私は原作信者でまとめサイトにとても感動したのでオリジナル要素に抵抗感が
多くあったからです。ただ、原作を特に重んじず恋愛物に抵抗の無い人なら
良い作品なのかもしれません。実際映画館では泣いてる人も結構いたようです。

原作の良さが何か壊れていっている印象があるのは私だけでしょうか?
ノンフィクションということで儲かる、注目されるとしてメディアが掻き立てる。
それにより起こる書籍化、映像化。有名になるのはいいことかもしれませんが、
原作に感じたあの話の純粋さが失われつつある気がしてならないです。
映画がそんなに悪くなかったとはいえ、この話はネット内で起こった感動ストーリー
としてそっとしておいた方が良かった気がします。
以上とても長く見難い文章になってしまいましたが感想として残しておきます。